食費や光熱費、交通費など、生きていくうえで必ず生じるのが「生活費」です。この生活費を正しく把握することは、支出の削減にも繋がります。
本コラムでは、生活費の計算方法や支出の分類の仕方、家族構成別の支出の特徴やちょっとした節約のコツなどを解説していきます。
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この記事の目次
生活費の計算をするには、まず支出を細かく分類する
生活費の計算をするうえで、最も重要なポイントは「支出を細かく分類する」ことです。自分や家族が「何に、どのくらい支出をしているのか」を知ることで、無駄を省き節約することができるようになります。
当たり前の話かもしれませんが、この「支出の分類」を雑にしてしまうと、上手な節約計画を立てることができませんから、まずは以下の項目で支出の種類を確認していきましょう。
各支出項目を解説。自分でカスタマイズするとさらに使いやすく
本項では、支出の項目にはどのようなものがあるかを解説していきます。総務省が行っている家計調査の「収支項目分類及びその内容例示(令和2年(2020年)1月改定)」を参考にしますと、家計における主な支出は以下に分類できます。
支出項目 | 概要 |
食料 | 食料品に対する支出全般を指す |
住居 | 家賃など住宅や宅地に関する支出 |
光熱・水道 | 電気・ガス・水道料金など |
家具・家事用品 | 家具や家事用品に関する支出。家電やインテリアなども含み、修理代・掃除代なども入る |
被服及び履物 | 衣類や靴などの購入費などを指す |
保健医療 | 通院費、各種医薬品、健康食品などへの支出。メガネやコンタクトレンズなども含む |
交通・通信 | 電車、バス、タクシー代や自動車、自転車購入費用など移動に関する支出。また通信は郵送料や携帯電話代、インターネット関連費などが含まれる |
教育 | 授業料、教科書代など |
教養娯楽 | 平たくいうと趣味に関する支出のこと。テレビやブルーレイレコーダー、パソコン、カメラ購入代、旅行費や映画料金なども含まれる |
その他の消費支出 | 理美容費、交際費、小遣い金などその他一般の支出 |
総務省の家計調査では、以上のように消費支出が分類されています。とはいえ、この大項目から分類してしまうと、少々使いづらいと言わざるを得ないでしょう。
例えば、交通・通信では交通費や郵便費、携帯電話代やWi-Fi契約費などが一緒になってしまっていますので、やや煩雑です。
そこで、支出を分類するときには「上記の項目を参考にして自分でカスタマイズして使う」のがおすすめです。
具体例を挙げますと、交通・通信であれば、交通費と通信費はわけて考え、そこまで支出の多くない郵便費などは消耗品費や雑費などの項目として処理してしまうのです。また、授業料や教育費がかからない方は、項目ごと削除してしまっても構いません。
それらをふまえて、具体的なカスタマイズ例を以下の表にまとめました。
支出項目 | 概要 |
食料 | 食費全般。健康食品や外食費も含む |
住居 | 家賃・更新料・管理費など |
光熱・水道 | 電気・ガス・水道料金など |
通信費 | プロバイダー料金、Wi-Fi契約料金、郵便費など |
インターネット関連費 | 契約しているサブスクリプションサービスやソフトウェアなどの月額代 |
家具・家事用品 | 掃除用具など家事に使うものや家具などの購入代 |
被服及び履物 | 洋服・靴などへの支出 |
保健医療 | 通院費、各種医薬品など |
交通 | 電車、バス、タクシー代などの純粋な交通費 |
教育 | 授業料、教科書代など |
娯楽 | 趣味に使った支出 |
交際費 | 交際費や贈答品、冠婚葬祭費などの支出 |
その他の消費支出 | その他軽微な支出。消耗品費 |
上記の支出のように、項目などを自分の支出にあわせて増減させると使いやすくなります。
そして、分類したものを合算することで生活費の計算が可能になります。また項目別の支出を見ることで、視覚的に「この支出が多い」「無駄があるかもしれない」と節約のポイントがわかりやすくなるといったメリットもあります。
家族構成による生活費の違い
支出の分類や、分類を合算し生活費を算出することをふまえたうえで、本項では家族構成による生活費の違いを解説していきます。
というのも、支出は生きていくうえで必ず生じるものであり、今一人暮らしをしている方でも、同棲や結婚をしたり、家族をもったり、老後の生活がはじまったりと、支出の内訳はライフステージによって大きく変わります。
ですから、ライフステージによって生活費にどのような違いが出るのかを確認しておくのは、とても重要なポイントです。
以下、総務省で5年毎に実施されている「平成26年全国消費実態調査 」をもとに、家族構成ごとの生活費の特徴などを解説していきます。
一人暮らしの場合
単身世帯の消費支出は、男女平均で月額約169,545円となっており、支出の構成比は以下となっています。
内訳を見てみると、食料・住居・教養娯楽・その他の消費支出が高くなっています。また、食費の内訳としては、男女ともに外食が最も高くなっています。一人暮らしの分、子どもの教育費などがかからないため、趣味や交際費にお金を回せる方が多い印象です。
とはいえ、上記はあくまで全体的な傾向として捉えてください。都心の賃貸で暮らしているケースなどでは、この割合よりも住居の割合が上昇しますし、車の有無によっても収支は異なります。
二人暮らしの場合
全国消費実態調査では、ライフステージ別の消費構造として、二人以上の世帯を第1〜第5ステージにわけています。以下のグラフは結婚後第一子出産までのステージの支出を表しています。
内訳としては、単身世帯と大きく変化はしていないイメージですが、二人世帯以上の他のステージと比べると、住居費の割合が高くなっています。
子どもがいる二人以上世帯の場合
子どもがいる家族は、第2〜第5ステージに分かれています。以下のグラフは子どもが義務教育の時期にあたる第3ステージの支出内訳です。
やはり、単身世帯や第1ステージと比較して教育の割合が増えています。この後の第4ステージになり、子どもが大学生の時期に入った場合では、教育に関する支出は26.8%にまで増加し、家計の多くの部分を占めるそうです。
子どもがいる家庭では、とくに教育費がかかることを念頭に、早いうちからライフスタイルを設計しておくことが重要だといえるでしょう。
高齢者の一人暮らし・二人世帯の場合
高齢者の単身・二人世帯は、交際費や交通費などが他のステージと比較して高くなっています。
また、介護をしている人がいる世帯においては、保険医療費や訪問介護などの介護サービスを含んでいるその他の消費支出が高くなる傾向です。高齢者の単身世帯においては、二人世帯よりも住居費が高い傾向で、消費支出は可処分所得を上回っています。この家計がマイナスになってしまうケースは、高齢者の二人世帯でも同様です。
老後に豊かな生活を送るために必要な自己資金は2,000万円とも1億円ともいわれていますが、いずれにせよ早いうちから資産形成をしていくことが重要だといえるでしょう。その資産形成のなかには、今回解説しているように、家計を見直して節約することも当然入ります。
生活費を節約するには「固定費」に注目
生活費の計算方法や、ライフスタイル別の支出の特徴を解説したところで、本項では実際に生活費を節約するにはどのようにすれば良いかを紹介します。
まず、支出を細かく分類したら、その支出を「固定費」と「変動費」に分けてみましょう。固定費とは、家賃や光熱費、月々の保険料など、毎月固定的に支払っている支出のことです。一方の変動費は、食費や日用雑貨、衣類の購入などによって生じる支出です。
この固定費と変動費、どちらに手をつけたら良いかについてですが、おすすめなのは固定費です。
固定費は変動費と違い、毎月支払い日が決まっていることが多いので、一度見直せば後は自動的に節約できる点が大きなメリットです。
例えば携帯料金が月々1万円で、月々4,000円の格安SIMに乗り換えた場合…
月々6,000円、年間で72,000円の節約になります
ほかにも、節約できる固定費は多岐に渡ります。賃貸にお住みの方であれば、賃料の安い物件に引っ越したり、更新の際に更新費や毎月の家賃の減額を申し出れば、大きな節約となるでしょう。
さらに、電気・ガスなどの契約を見直したり、低価格な電力会社に乗り換えるといった手もあります。
また最近では、音楽や映画・ドラマなどをサブスクリプションサービスで楽しんでいる方も多いかと思いますが、実際に「元を取れているか」と考え直してみるのもよいでしょう。これは新聞やジムなども同じです。
このように、固定費だけでも多くの見直しができるはずです。
一方の変動費ですが、食材はスーパーで安い時に買い、保存の効く調理方法や冷凍をしておく。洗濯洗剤やシャンプーなどの生活雑貨は、容量が多くお得なものやコスパの高い詰替え用の商品を選ぶなどすれば、少しずつではありますが節約が可能です。
とはいえ、過度の我慢はストレスですので、時々は贅沢な外食を楽しんだり、お気に入りの洋服やコスメを購入したりなど、楽しみながら節約生活を送るのが長続きさせるポイントです。
固定費や変動費の節約方法や、生活費を抑える方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてみてください。
節約に最適な電力会社がきっと見つかる!
「【決定版】光熱費を節約したいならコレ!電気・ガス・水道別の節約方法とは」
まとめ
今回は、生活費の計算方法や支出の分類の仕方、家族構成による支出の特徴やちょっとした節約方法などを解説しました。
繰り返しになりますが、生活費の計算や見直しには、まず「何を、どの程度支出しているか」を把握するのが何よりも重要です。しっかりと支出の状況を抑えたうえで、固定費や変動費の見直しを行うことで、より効率的に節約することができるでしょう。
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