- 一人暮らしの電気代は平均でいくらぐらいだろう?
- 平均より電気代が高い場合、どうやったら節約できるだろう?
こんな疑問を持つ方に向けて、本記事を書きました。
本記事では、一人暮らしの電気代の平均額、電気代の決まり方、各家電ごとの節約方法や、プランの見直しについて解説しています。
毎月かかる電気代は、小さい金額でも積み重なることで、5年10年と経つと大きな金額になります。
本記事を読んで、一人暮らしで電気代を節約する方法を学んでいきましょう。
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この記事の目次
一人暮らしの1か月の電気代の平均はいくら?【月別】
まずは、全国の平均と比較して、ご自身の電気代が高いか安いか確認してみましょう。
総務省の家計調査によると、2023年の34歳以下での毎月の平均は5,127円です。
また、電気代は季節によっても左右されます。3ヶ月毎の平均額を以下の表にまとめてみましたので、確認してみましょう。
1〜3月 | 4〜6月 | 7〜9月 | 10〜12月 | 月平均 | |
---|---|---|---|---|---|
2023年 | 7,368円 | 3,972円 | 4,190円 | 3,762円 | 5,127円 |
暖房を使用する寒い時期は、電気代が高くなることがわかりますね。
気候によっても電気代は左右されるので、北海道や東北の地域では、他の地域よりも電気代は高くなります。
その他生活スタイルにも電気代は影響を受けます。
例えば、テレワークや自営業で自宅にいる時間が長い方は、平均よりも高くなるでしょう。
ご自身の毎月の料金は、平均よりも高かったでしょうか?
高かった場合は、まずは原因を明確にしていくことが大切です。
そもそも電気代はどのようにして決まるの?
電気代は次の計算式で決まります。
- 電気代=基本料金+電力量料金+燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 電力量料金=電力量料金単価×1ヶ月の使用量
- 燃料費調整額=燃料費調整単価×1ヶ月の使用量
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金=再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×1ヶ月の使用量
各計算項目について詳しく見ていきましょう。
基本料金
基本料金は、電気の使用量に関わらず一定の料金が発生する料金です。
契約する最大アンペア数で料金が決まることが一般的で、アンペア数が大きくなるほど料金も高くなります。
一人暮らしに最適なアンペア数は20〜30Aと言われています。
現在契約しているアンペア数を確認し、30Aよりも大きければ安くできる可能性がありますね。
電力量料金
電力量料金は、電気の使用量によって決まる料金で、電力会社各社が定める電力量料金単価に電気の使用量を掛け算することで計算されます。
電力量料金単価は、電気使用量によって変動することがあります。
現在契約している電力会社の電力量料金単価を把握し、電気の使用量に応じた料金をご自身でシミュレーションできるようになりましょう。
燃料費調整額
燃料費調整額とは、電気代に貿易価格の変動を反映させるために設定されている項目です。
電力発電の75%は火力発電であり、燃料は原油、液化天然ガス、石炭です。
これらのほとんどは輸入されているため、世界情勢によって価格が高騰あるいは下落することがあります。
燃料の価格変動を反映させるために、燃料費調整額が設定されているということですね。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで発電された電力を電力会社が買い取った費用を、利用者も一部負担するための項目です。
電気を利用する限りは必ず発生しますので、節約できる項目ではありませんが、電気代が決まる仕組みとして理解しておきましょう。
電気代の項目を知ることができる「検針票」の見方
検針票とは、毎月の電気代に関わる情報の明細が記載された書類です。
紙で受け取る場合は、毎月ポストに届いていることが一般的ですね。
毎月届く検針票を読み解くことで、電気代が何にいくらかかっているのかわかるようになります。
まずは現状を理解し、電気代の削減ポイントを検討できるようになりましょう。
東京電力の検針票を元に、電気代に関わる部分について解説します。
①契約種別
現在契約している契約プランが記載されます。
この契約プランによって、利用可能なアンペア数や、毎月固定で発生する基本料金が決まります。
一人暮らしに適したプランを契約できているか、確認しましょう。
②ご使用量
該当月に使用した電気量の総量が記載されます。
毎月の使用量を確認することで、使いすぎているかどうか把握できるようにしましょう。
③請求予定額
使用量を基に計算された請求額が記載されます。
下には金額の根拠となる内訳が記載されています。
電力量料金単価は、電気の使用量によって段階的に変化することや、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金がどの程度発生しているか確認しましょう。
④前年比較
昨年の同月と比較した電気使用量が記載されます。
電気代は、住む地域や生活スタイルによって変動するため、一般的な平均値と比較することも大切ですが、ご自身の過去と比較することは非常に電気代削減に効果的です。
⑤燃料費調整のお知らせ
燃料費調整額の変化がわかります。
燃料費調整単価は、石油等を輸入する金額によって変動するため、利用者が工夫できる項目ではありません。
しかし、ご自身の電気代が高いと感じた場合、原因が燃料費調整額であることもあります。
電気代の計算根拠として、燃料費調整額がどのように変化しているか把握することは重要です。
以上、検針票の見方について説明しました。
検針票を理解することは、電気代を節約する一歩目です。
ご自身で電気代の削減余地を、検討できるようになりましょう。
電気代も家電によって違いがある
家電によって1時間あたりの消費電力量は異なります。
また、エアコンや照明のように長時間つけっぱなしの家電もあれば、ドライヤーや電子レンジのように1回の使用時間が短い家電もあります。
そのため、家電によって電気代は変わってきます。
ここからは、家電の消費電力の計算方法と、よく使う家電の1ヶ月あたりの消費電力量について見ていきましょう。
家電の電気代の計算方法
家電の電気代は、次の計算式で求められます。
家電の電気代=消費電力(kwh)×使用時間×1kwhあたりの電気料金
消費電力は各家電の説明書等に記載されていますので、電力会社の1kwhあたりの電気料金を把握することで、家電の電気代が計算できます。
説明書等に記載されている消費電力の単位が、wの場合は、kwに変換するために、1000で割るようにしましょう。
例えば、2500wと記載されている場合、
2500÷1000=2.5kw
というように計算します。
年間消費電力量で記載されている場合もあります。
その場合、年間消費電力量を12で割ることで1ヶ月分の消費電力量が求まりますね。
ご自身が利用している家電ごとに、いくら電気代がかかるか把握することで電気代削減のポイントが見つけられるようになりますよ。
よく使う家電の1ヶ月あたりの消費電気量について
一人暮らしで、よく使う家電の1か月あたりの電気量を表にまとめてみました。
ご自身の正確な電気量や電気代は、各家電の消費電力、使用時間、電気料金単価を把握するとして、ここでは目安を把握しましょう。
1kwhあたりの電気料金単価は31円で計算しています。
家電 | 1ヶ月あたりの消費電力量(kwh) | 電気代(円) |
---|---|---|
エアコン(1日7時間使用) | 105 | 3,255 |
洗濯機(週3回使用) | 1.1 | 34 |
冷蔵庫(24時間つけっぱなし) | 26 | 806 |
照明(1日7時間使用) | 21 | 651 |
トイレ(便座24時間温めた状態) | 161 | 416 |
テレビ(1日4.5時間使用) | 2.75 | 85 |
炊飯器(1日1回使用) | 5.2 | 161 |
給湯器(1日10分使用) | 5.2 | 161 |
電子レンジ(1日10分使用) | 5.1 | 158 |
スマホ充電(1日1回1時間充電) | 0.37 | 11 |
ドライヤー(1日1回5分使用) | 3 | 93 |
この表を見るとわかるように、エアコンの消費電力量が圧倒的に多く、次いで冷蔵庫、照明が続きます。
電気代が高いと感じている場合、特にエアコン、冷蔵庫、照明で使い方や省エネ対策をしているか確認してみましょう。
一人暮らしの電気が高くなってしまう原因とは
1.部屋の数が多い
部屋の数が多いと電気代が高くなってしまいます。
例えば、部屋の数が1つに対して、2つ3つと多くなれば、エアコンや照明の消費電力も単純計算で2倍3倍と増えます。
特にエアコン、照明は家電の中でも電気代が高くなる家電になります。
部屋が多い場合は、使わない部屋のエアコンや照明はこまめに切るようにすると、部屋の数が多いことによる消費電力量を抑えるようにしましょう。
2.テレワークの普及に伴う在宅時間の長さ
テレワークが定着していれば、在宅時間がそれだけ長くなるため、その分電気代も高くなります。
家でテレワークをすることで、エアコン、照明、PCといった家電を仕事中も使用することになりますね。
テレワーク中に必要な家電を使うことは避けられないため、極力省エネの家電を使うことをおすすめします。
また電気の契約プランによっては、昼間は電気代が高く、夜間は安くなるプランがあるので、契約プランの見直しも一つの対策です。
3.家電の使い方
家電の使い方を見直すことで、電気代が改善できる可能性があります。
家電の中でも、エアコン、照明、冷蔵庫といった家電は特に電気代の中での割合が大きいです。
電気代を見直すなら、まずはこの3つの家電の使い方から見直すことで、電気代が改善されるでしょう。
家電ごとの具体的な節約方法については後述しますが、電気の無駄使いをしていないか、使用している家電が古くなっていないか確認してみましょう。
4.契約アンペアが大きい=電気料金の負担が大きい
電力会社との契約プランは、アンペア数によって基本料金が変わることがあります。
アンペア数の大きさによって、同時に使える家電の数が変わってきます。
以下は、東京電力の電力プランです。
一人暮らしの場合、アンペア数は20〜30アンペアが平均ですので、これ以上は不要なアンペア数になります。
現在の契約プランは、どのアンペア数で契約しているか確認しましょう。
ただし、節約したいからといって過剰にアンペア数を下げてしまうと、必要なアンペア数を確保できなくなり、すぐに停電してしまうようになります。
無理にアンペア数を下げないようにしましょう。
一人暮らし向けの節約術【家電別】
1.エアコン
夏と冬で電気代が高くなるのは、エアコンが大きな理由です。
設定温度を夏は冷房を28℃、冬は暖房を20℃を目安に省エネしましょう。
合わせて、冷たい空気は下に、熱い空気は上に溜まりやすいので、サーキュレーターを使いましょう。
サーキュレーターで空気を循環させることで、部屋全体にエアコンの効果が届きます。
また、部屋全体の温度調節をするのではなく、夏は扇風機、冬は電気カーペット、電気毛布、こたつを活用しましょう。
自分が過ごす周辺だけ温度調節することで、エアコンの稼働を抑えられるため、節約になります。
2.洗濯機
洗濯は、可能な限りまとめて洗濯するようにしましょう。
洗濯機を使用する回数を減らすことで、消費電力を抑えられます。
使用する水の量も減らせるため、水道代の節約にもなりますね。
また、夜間は電気代が安くなるプランを契約している場合は、選択する時間を夜にすることで電気代を節約できます。
3.冷蔵庫
冷蔵庫の冷やす力の設定を弱めることで消費電力を抑えられます。
また、冷蔵庫にものを詰めすぎると冷蔵庫内の空気の流れが悪くなり、冷えづらくなるため、消費電力量が上がってしまいます。
ものの詰めすぎには注意しましょう。
その他、冷蔵庫の設置位置を工夫することで消費電力を抑えられます。
冷蔵庫は中を冷やすために、熱を外に放出しています。
そのため、冷蔵庫と壁との距離をできるだけ離すことで、冷却効果が高まります。
冷蔵庫は24時間稼働し続けているので、優先して節約対策をするようにしましょう。
4.照明
照明は、あまり消費電力が大きくないため、油断しがちですが、しっかりと対策することで節約になります。
外出するときや、使っていない部屋の電気は消すようにしましょう。
明るさが調節できるなら、少し暗くすることも効果的です。
小さな積み重ねですが、1ヶ月1年と積み重なると大きな差になります。
また、LEDは消費電力が少ないため、LEDに切り替えることもおすすめです。
5.トイレ
トイレは、暖房便座(ウォームレット)と温水洗浄便座(ウォシュレット)で電気を使用しています。
ウォームレットについては、
- 温度を下げる
- 冬場以外は使わない
- 蓋を閉めることで、熱を逃さないようにする
といったことを取り入れることで、節約できます。
また、ウォッシュレットについても、水の温度を下げることで節約の効果が見込めるでしょう。
トイレも24時間稼働しているので、優先して対応することをおすすめします。
6.テレビ
テレビの画面の明るさを見直し、暗くすることで消費電力を抑えられます。
また、別のことをしている間にテレビをつけっぱなしにしている時間があれば、テレビを消しましょう。
使っていないときは主電源自体切ることで、より節約効果が見込めます。
最新のテレビには省エネ対策されているテレビもあります。
テレビが古くなっている場合は、買い替えの検討もおすすめです。
7.給湯器
給湯器で発生するのはガス代だけでは?と思われる方もいるかも知れません。
しかし、実際、お湯を出すためには、燃料となる空気を取り入れるためのファンモーターを駆動させる、温度を測定するために温度センサーを使うなど、電気も使用しています。
省エネ性能のある給湯器を使うことで、消費電力を抑えられるでしょう。
その他、給湯器で思いの外で消費電力がかかっているのが、パネルをつけっぱなしにしているいわゆる待機期間です。
使うときだけ、パネルの電源を入れることで、消費電力を抑えられます。
8.炊飯器
炊飯器での節約のポイントは、ご飯を炊く回数を減らすことです。
例えば、昼、夜それぞれでご飯を炊いている場合、昼にまとめて夜の分まで炊いて、夜の分は冷蔵庫に保管するようにしましょう。
また、ご飯を炊いたあとの保温時間を短くすることも重要です。
早めに炊きすぎて保温する時間が長くなる、といったことがないように、料理ができあがる時間と合わせてご飯が炊けるように調節すると良いでしょう。
電力プランや回線を切り替えることで電気代を節約できる場合も
家電ごとの使い方を最適化する以外にも、電力プランや回線を切り替えることで電気代を節約できる場合もあります。
2016年4月に電力の小売自由化が始まり、様々な電力会社やプランが登場しています。
ガスやインターネットとセットで契約することで安くなるプランや、時間帯によって料金が安くなるプラン等、様々な選択肢があります。
各電力会社のWebサイトで料金のシミュレーションができることが多いです。
直近数カ月分の検針票を元に、今より安くなるか確認してみると、比較できるのでおすすめです。
各家電の使い方だけでなく、電力会社やプランも見直して、電気代を節約していきましょう。
まとめ
以上、一人暮らしの電気代の平均額から各家電ごとの具体的な節約方法まで解説しました。
電気代を節約する方法はたくさんあるため、焦らず一つずつ改善していきましょう。
また、根本的には電力会社やプランを変更することで電気代が節約できる可能性があります。
各家電ごとに工夫することと合わせて、電力会社やプランの見直しも行って、電気代を最適化していきましょう。
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